Overview
アカククリ (Platax pinnatus) は、西太平洋の熱帯沿岸域、水深 3 ~ 25 m の海域に生息する海水魚である。英語では、ピンネートスペードフィッシュ、ピンネートバットフィッシュ、ダスキーバットフィッシュ、シェーデッドバットフィッシュ、レッドフェースバットフィッシュなど様々な別名で呼ばれる。 ずんぐりとした丸い体をしており、黄色い胸びれと、尾びれの付け根にある黄色い帯模様が特徴である。成魚の体色は銀色から暗灰色で、体側には黒い横縞が入る。 体長は平均 45 ~ 60 cm、体重は 1.5 ~ 3.5 kg である。
Found in 西太平洋の沿岸域およびサンゴ礁
Regions
- インド洋
- 太平洋
Biomes
飼育エリアの必要条件
Adult
IUCNレッドリスト
Minimum area
Deep water
100 m² + 追加1頭につき30 m²
Environment
Temperature
22~28°C
Plant coverage
20-60%
Water salinity
海水
Enclosure
水族館
社会性と繁殖
飼育員のメモ
- カイアシ類
- アルジーペレット
Conservation
群れと繁殖
低危険種
Least concern
Critically endangered
アカククリは分布域が広いため低危険種に分類されているが、それでも生息域の各地で保護上の課題に直面している。東南アジアや中国南部などの一部地域では、食用や観賞魚としての取引を目的とした乱獲により、地域個体群が減少している。とりわけ幼魚は、その個性的な見た目から愛好家の間で需要が高い。また、沿岸域の開発やマングローブの消失による生息地の劣化も脅威となり、幼魚の成育場が減少している。気候変動に伴うサンゴの白化現象がサンゴ礁の生態系の弱体化に拍車を掛けており、アカククリの生存や繁殖に悪影響を及ぼす恐れがある。 アカククリの保護に向けては、複数の戦略が功を奏している。海洋保護区の設置は、本種のライフサイクルに不可欠なサンゴ礁やマングローブ生息地を保護するとともに、地域的な乱獲防止につながる。また、飼育下での繁殖や大規模な養殖により、天然資源をこれ以上減少させることなく市場へ供給する体制を整え、野生個体群への圧力を緩和することが目指されている。
Zoopedia sketchbook
動物データ
Keeper notes
アカククリは社会性が高く、単独やつがい、小さな群れ、あるいは大規模な群れで行動する。 アカククリは一年を通して繁殖を行うが、春と夏にそのピークを迎える。サンゴ礁に生息する海水魚によく見られる繁殖サイクルを持ち、目立った求愛行動は見られない。成魚は通常、緩やかな産卵群を形成し、オスとメスが海中に精子と卵を放出して体外受精を行う。 受精卵は浮遊性で、海流に乗って漂った後に孵化して小さな幼生になる。幼生はしばらくプランクトンとして過ごした後、浅い沿岸域の生息地に定着する。アカククリの幼魚は成魚と大きく異なる姿をしており、有毒なヒラムシに似た、オレンジ色の縁取りがある黒い体を持つ。成長に伴いこの擬態は失われていく。 その後、より深いサンゴ礁や外洋に移り住み、丸みを帯びた姿の成魚になる。生後 2 ~ 4 年で生殖可能となる。
Group and breeding
Group
Shoal size
15-30
Lifecycle and breeding
Life expectancy
15年
Age of sexual maturity
3年
Mating season
季節を問わない
関連する動物
- アカククリは成長が非常に早いことで知られ、6 か月で成魚に近い大きさになる。
- アカククリの幼魚は成魚とまったく異なる外見をしており、有毒なヒラムシに擬態して捕食者を遠ざけている。
- 停泊している船を好む習性があり、係留用の鎖に群れることが知られている。
- 飼育下では、エサの時間を覚えたり、飼育員を見分けたりする能力を持つ。
- 非常に好奇心が強く、ダイバーに近づいて観察する行動をとる。
Taxonomy
Class
Order
Family
Genus
Species