ヴェイルウォーター盆地
終わりの始まり
ジャーナルのヴェイルウォーター盆地ページの伝承:3件の項目、ヴェイルウォーター盆地の3か所で読める。
従兄弟のロルフが行方不明! オービルへ、真珠取りの仕事へ出かけたっきり帰ってきていません。
ロルフは怖いもの知らずな男だったかもしれませんが、何かあればいつも手紙をよこしてくれていたんです!
もし彼を見かけたら、私に知らせるか、彼を連れて帰ってきてください!
ウィリーより
この辺りの連中は心配しておる。まず、スチルウォーター湾、その次はゴールドロック・サドルじゃった。ワシらの集落が次々と見えなくなっちまって、北西へ向かった連中は、死んだ魚みたいに岸に打ち上げられとる。 あの古い製材所の若い衆には、オービルで潜水夫をしている家族や仲間がおるが、ここのところ、誰もそいつらの姿を見とらん。真珠どころか便りの1つもよこしてない。きっと、もう手遅れなんじゃろう!
ワシはあいつらに言ったんじゃ。谷間に住み着くのはやめておけと。だが、誰1人として耳を貸さんかった。あの物語を忘れてしまったのか?
遠い昔、王冠が3つに砕ける前、いや王国なんかができるもっと前の話じゃが、ワシらは奇襲を受けた。 半人半獣の野獣どもが、ワシらの血でヤツらの海を黒く染めようと、岸から押し寄せてきたのじゃ。そして海は黒く染まってしもうた。ヤツらはワシらと古き者たちとの絆を妬んでおったんじゃ。ヤツらにとって、古き者たちは、自分たちの神々の使いだと信じていたからのう。あんな連中を打ち負かせたのは、間違いなく人間の技術と戦略のおかげじゃ。
今となっては、ワシらのほとんどがその話を忘れてしまっているが、ドラクはそうではなかったらしい。ヤツらが戻ってきた。ワシはそう信じとる。ワシにはわかる。じゃが、こんな老いぼれの話なんぞ、誰も聞きゃあせん。
ワシは昔から自分の勘には自信があった。船に乗り込む前から反乱を企んでいる連中を見抜けもしたし、遥か遠くのカモメの声から嵐が来ることも察知できたんじゃ。
じゃが、今回ばかりは、この1度ばかりは、ワシが間違っとるんじゃろうか? 西風がいつもと違う調べで口笛を吹くのを聞いた時、ワシはその鋭さを不吉な物だと聞き間違えたんじゃろうか? ヒレを引き裂かれた魚を何百匹と釣り上げた時、ワシはその傷を脅威だと読み違えたんじゃろうか? 子供の頃に聞いた物語に出てくる悪党どもが、本の中から水の中へ飛び込むのを見たと思った瞬間、ワシの目が自分を欺いていたんじゃろうか?
ワシは、自分の正気の糸を紡いで、ありもしない物語を作り上げているだけなんじゃろうか?ワシという存在が完全にほどけてしまう前に、他の連中に警告せねばならん。 連中が、ワシのような語り部の言葉を信じてくれるかどうか、ワシにはわからん。中にはこう言う者もおるかもしれん、「漁師は漁だけやっておけ」と…。
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