トラスト・グロウス
PDAの項目
- ディスコイデア・イルシウム、有名な*D・ディスコイデウム*アメーバにちなんで名づけられた細胞性変形菌。絶滅へ向かっているように見える。
- 1. 細胞質のスライム真菌
- 円盤状のアメーバ様細胞からなる塊。地球の類似生物は大半の時間を孤独に過ごすが、新たな食料を探すときにはナメクジのような集合体となる。
- 2. レトロウイルスによる破壊
- トラスト・グロウスのゲノムには異常なところがある。プロテウスの生命全般に見られる、組み込まれたレトロウイルス(親から子へと受け継がれる*プロテウイルス*の複製)が異様に攻撃的で、ウイルスの発現を制御する制御因子や抑制因子を破壊している。宿主とウイルスの間で進化により築かれてきた信頼関係が崩壊しているのだ。
- 3. ブルームに近い病理
- トラスト・グロウスの細胞は*プロテウイルス*を産出し続け、最終的にその負荷によって破裂する。そのようにして死んだ細胞による外殻を形成して腐肉食生物を惹きつけ、感染させる。これはブルーム・ウイルスである*プロテウイルスβ*に見られる現象の初期段階、ないしはあまりうまく機能していない形であるかもしれない。
- 4. イデオロギー的な実例
- 均質な構成要素をもつ、完全なトラスト(信頼)に基づく共同体は、利己的に増殖する存在に食い物にされやすい。*ディスコイデア・イルジウム*スライム内に、より大きな競争の自由が存在したなら、その進化上の失敗は回避できていたかもしれない。
- 5. コアラとの関連
- 地球のコアラ、*ファスコラルクトス・シネレウス*は18世紀に免疫破壊性のレトロウイルスKoRV-Aに感染していた。このウイルスはコアラのゲノムに入り込み、母から子へと受け渡された。感染したコアラはKoRV-Aウイルス粒子を生成し、病を拡散させていった。カンガルー島の未汚染の遺伝子を使ってKoRV-Aの治療に成功したことは、種族規模の遺伝子治療の初期の成功例である。
- 評価: ブルーム・ウイルスの進化への洞察が得られる可能性あり。
関連項目
データバンク生成警報: 既知の科学理論では本標本を説明できません。
厳密には生物であるが、ゲートウェイ・スパイアはむしろシロアリの塚に近い構造体である。
データバンクの生成停止。
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